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多嚢胞性卵巣症候群について
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS:polycystic ovarian syndrome)とは、卵胞が発育するのに時間がかかってなかなか排卵しない疾患です。
どんな自覚症状?
①月経周期が35日以上
②月経が以前は順調だったのに今は不規則
③ニキビが多い
④少し毛深い
⑤肥満
などなどです。
多嚢胞性卵巣症候群では、超音波で卵巣を見ると10㎜くらいの同じような大きさの卵が子宮の中にたくさんできていて、卵巣の外側に1列に並び、なかなかそれ以上大きくならないのが特徴で、この状態は「ネックレスサイン」と呼ばれています。
どうして排卵がうまく行われないのかというと、卵巣内の男性ホルモンが多いことが原因といわれています。
男性ホルモンを高くさせている原因は、脳からでている黄体ホルモンと血糖値を下げるインスリンというホルモンの作用になります。
このホルモンが正常よりも強く卵巣に作用していて男性ホルモンが局所的に上がってしまっているわけです。
なので、多嚢胞性卵巣症候群の方は生理中の血液検査によって脳から出るゴナトロピン値を計ると卵胞刺激ホルモンより高くなるという特徴があります。血中の男性ホルモンの値も軽く上昇していることがあります。
多嚢胞性卵巣症候群は年齢とともに進み、月経周期はどんどん長くなっていく傾向にあります。
全ての特徴をもっている人もいれば局所的にもっている人もいてそれぞれです。特徴的に排卵しにくいというのがありますが、若いうちは気づかずに自然に妊娠する事もあり気づかない場合もあります。
治療方法は?
なかなか排卵しないのが特徴なので、排卵を促すために排卵誘発剤を使って排卵のチャンスを増やします。
内服薬(クロミフェンなど)で、すぐに排卵できるようになる場合もあれば、なかなか反応しない場合もあります。
なかなか反応しない場合は、内服薬プラスステロイドを併用したり、漢方薬を併用したりします。
これでもうまく排卵しない場合は、注射での排卵誘発を行います。
治療事態は対症療法になってしまうので、生活習慣の改善やホルモン療法、あるいは手術療法で正常に排卵が起こるようにしていくしかなかったりします。
予防法は?
これといった予防法がないのが現実です。しかし、糖代謝異常からなるものだったりするので、甘いものが好きで毎日たくさん摂取している人は甘いものを控えたり、肥満にならないように定期的に運動したりするのも予防法の1つだったりします。
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